親権移動の裁判を起こした時『子どもがいる親が勝つ』と。この判定、あなたはどう思いますか? ずーと昔からいわれているけど、判決はそれでいいのか?

⑨親権移動『却下』の意味を探る

食事が終わり、悠季は眠りに就いた。
すると、未夢のつぶやきが始まった。

「たった2年、されど2年・・、悠季にとっては、長かったん だ ろうなぁ。」
「そうだなぁ。」と、慎也の声が流れた。

「私、何度も、言ったんだぁ・・・、
月に1度か2度、偽善さん宛てに手紙を書いた。
『引き取りたい』『育てたい』と、頼んだんだ~ぁ。
悠季には、色々な物を送った、
手作りしたり、音楽をダビングしたカセットテープだったり、洋服・・。
でも・・、
手紙だからスルーされて、電話をすれば『渡さない』だけ、
無駄だと判ってはいたけど、何もせずには居られなくて、
あの時、
悠季を連れてきちゃえば良かった、話し合いも裁判もせずに・・、」

ボソボソと、後悔をこぼす・・未夢。

「難しいよなぁ、男が1人で子育てをするのは・・、俺には出来ない。」
「見ている視線が違うね、   (慎也が・・?)
慎也は、いつも偽善さんの味方だね。

でも、偽善さんは1人で育てられないから、親戚の方々の手を借りているんでしょ、
それってさ、迷惑を掛けている事、なんじゃない。

でも、偽善さんには、何も、伝わっていない、と、思うけどねっ。」
未夢が口を閉じると、
「それってさ、“迷惑”って、言うんじゃない、と思うなぁ」

「由美姉ちゃん、って、ね、実家のお兄さんの娘さん、
高校生なんだぁ。この時期ってさ、自分の時間が、一番、欲しい時だよね。

お兄さんの奥さんだって、家事仕事、家の農業、そして外へも働きに行っている。
子供の手が離れて、やっと自分の時間も持てるようになっていたかも知れない。

それぞれが、それぞれの時を重ねて、今の時を刻んでいる。
自分の時間を刻んでいたんだよねーぇ。
悠季が行く前までは・・。」

「えっ、面倒を見るのがイヤなのか?」

「口では言わないょ。
たとえ、思っていてもねっ、

でもね、冷静に考えてみれば・・偽善さんを含めた家族全員は、さ、
みんな、私を嫌っているし、怒りを抱えている、と思う。

だってさ、話し合いの時、離婚を要求した私だけを責めていたじゃない。
それってさ、私への怒りだよね。

つまりさ、私が離婚をしなければ、
『偽善さんは悠季を連れて、田舎へ戻らなかった』と、言う事だもん。

そんな、私の子どもが、悠季。かわいいと思えるかぁ、疑問だよね。
むしろ、『迷惑だ』、『面倒を見たくない』、と思って、当然でしょ。」

「・・・・・」

「私ね、話し合いの時に気づいた事がある。
悠季の面倒を見ているのは、悠季が可哀想だから、悠季が可愛いから、じゃない。

全ては、“偽善さんのため”、と思い込んで、悠季の面倒を見ている、だけなんだと、
はっきり判った。だから、尚更、早く引き取りたかった。」

    当時、未夢が離婚を要求した時に偽善は『拒否』をした。
    それでも譲らない未夢に対して『悠季を渡さない』と。
    それは、悠季を人質感覚で引き取った、流れだった。

    ところが偽善の家族は『偽善は悠季と暮らしたい』と思い込み、
    それなら、偽善のために家族が力を合わせると、決めた。

「・・・」口を閉じたままの慎也、

「なんだかんだ言ってもさ、一番、悪いのは、悠季を手放した、私だ。」
「そうだ。」慎也がしゃべった。

「子どもは大変だよね、
親や大人たちが決めた道を歩かなければならないんだもん。それなのに、
子どもが抱える辛さ、苦しさ、悲しさは、大人たちに何も伝わらない。

そんな大人たちが観ているのは、
いつも親の大変さだけ、しかも同情まで集めちゃう、

なんか、不公平だな~ぁ。」

「そうだなぁ。」ボソッ・・と、

「話し合いの時に、言っていたじゃない、
親戚一同で悠季の面倒を見ているから寂しくない、可哀想なのは偽善だ
な~んてさ。
なんて身勝手な言葉なんだろう。と思った。

大人の言い分は 100% 認めるのに、子どもの言い分は 0% って、どういう事?
子どもには、大勢の大人がいれば、それだけでいい、のか・・
なんてさ。
酷いよ~ね、
なんて、大人の勝手な言い分なんだろう~ぉ。」

「かなり苛立っているなぁ。」笑みを含めた顔で慎也が言う。
「まあね~。」2人で笑った。

「裁判なんて、やらなきゃ良かった。
連れてきちゃえば・・、良かった。」

「俺は、アレで良かったと思う、悠季ちゃんの気持ちを中心に裁判を起こした事
未夢と暮らしたい、と望んでいることを、訴えた事。あれはアレで良かったと思う。」

「何、いってんのよ~ぉ、負けたら意味ないじゃん、
裁判を起こしたんだよ。」言葉を吐き捨てる未夢は、涙までも落とす。

「あれは、裁判官が悪いんだよ。悠季ちゃんの事を考えないから、
本当は、子どもの主張が通って当たり前だろう。

子どもの意見を聞き流すようじゃ、ダメだろう。
子どもには、自分の道を決める権利があるはずだ。」

「そうです、その通りです、でも現実は違うのよ、慎也が言っている事は理想でしょ。」
「理想じゃないよ、そうあるべきだろう。」

「裁判は、過去の資料を基に判決を下しているんでしょ、良くさ、判例がない、とか、
言っているじゃない、それって、過去の判決を重視している証拠じゃない。」

「だから、誰かがやらなきゃ、誰も耳を傾けてはくれないだろう、
いつになっても、子どもの主張が伝わらないだろう。」

「そうです、その通りです、
でも、その誰かが、なぜ悠季なの。・・・勝ちたかったよ。」涙を落とす未夢。

「あの小さな悠季ちゃんが、精一杯、自分を主張したんだよ。
必死に、俺たちに訴えたんだよ。その気持ちをみんなに伝えたいじゃないか、

今までは大人中心だったろう。子どもの意見なんか、通らなかったろう、
だから、変えなきゃダメなんだよ。」

  当時4歳の悠季は『ママと暮らしたい』と偽善の目の前で訴えて未夢にしがみついた。
  すると偽善の暴力は未夢へ、悠季へ伸びると未夢が睨んだ、すると、両手が塞がっている
  未夢を痛め続けた、それでも悠季を抱きかかえたまま耐えていた、この時の悠季は何度も
  『ママと暮らしたい』と主張を続けた。そんな悠季を目の前で観ていたのが慎也だった。

慎也の主張を繰り返し聞き続け、
判決の結果を何度も読み返してきた・・未夢が、

「そういえばさ、裁判官の判決に『子どもが母親と暮らしたいのは当然の事』。
子どもが母親と離れれば寂しいのも当然の事』。って、書いてあったじゃない、

それってさぁ・・、
『子どもの気持ちを理解している』って、言っているんじゃないの・・?
つまりさ・・
子どもの気持ちは理解できる、でも、それは、親権移動の理由にはならない
と、は、さ、
生活環境を変える理由にはならない・・と、言う事じゃないの?
だから『却下』なんだよ。

判決を下す元となるものは、
子どもの気持ちよりも、大人が作る生活環境を優先する・・
という事なんじゃない、かな・・ぁ。」

「完全に子どもの気持ちは、無視だな。やっぱり訴えなきゃ。」

「あのね、正統派の慎也さん。どうやって、訴えるですか?
裁判官の人たちを、裁判に掛けますか? 難しい問題ですね~。」

張り詰めた糸が切れたのか・・笑い声が舞った。

「偽善さんは、悠季と一緒に暮らしたかったのかな・・?」ぼそっ・・
「何だよ、今頃当たり前だろう、だから連れて行ったんだろう」正当派コメントの慎也。

「わたしは悠季を連れて行った理由は、“別にある”、と、思えてならない。」
「なんでだよ、」と、また怒る慎也。

   1つだけ言える事がある、
     大人は簡単に嘘をつくし、その場を繕う事もできる。
     でも、そんな事は、子どもにはできない。

   さあ、あなたは、誰を信じますか? 
   大勢の大人たちの声?  たった1人の子どもの声?

   私はやっぱり・・・、子どもだな~ぁ。

当時、一番気になった出来事は、偽善の前で悠季が言った、
「ママと暮らしたい」の言葉、100%  偽善に大きな怒りを植え付けた。

そして、これだけ子どもが助けを求めている姿は、紛れもなく、虐待を受けている証拠なのです。

親権移動の申請内容にも、この時の様子や父親の暴力も訴えたけど、何も伝わらなかった。
でも、女性の調停員さんは、直ぐに父親の異常さや暴力を理解した。

男性裁判官たちは『親戚一同が世話をする』という表面のみを評価した、
内面の『虐待への危険度は、全く伝わらなかった』男性が判決を下す事に疑問を持った。

法を犯しても、連れ出して本当に良かった、と、今でも思います、ただ恐怖もありました。
でも住民票を動かす事が出来ない現実は、色々と辛いです、苦しいです。
裁判官たちは、もっと、子どもに寄り添った判決を下して欲しい・・です。

■ Copyright © 2019 慢性ショック・心の病・心のケア youalive.com all rights reserved ■